「何をしてもニキビが繰り返し出てしまう…」「思春期だから仕方ないの?」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
ニキビは誰にでも起こりうる肌トラブルですが、その原因や種類を正しく理解し、適切なスキンケアを行うことで改善や予防が可能です。
今回は、美容皮膚科医の立場からエビデンスをもとに「ニキビの原因」「ニキビの種類」「スキンケアのポイント」についてわかりやすく解説します。
ニキビの原因とは?
ニキビは医学的には「尋常性ざ瘡(acne vulgaris)」と呼ばれる炎症性皮膚疾患です。
ニキビの主な原因は次の4つです。
1.皮脂の過剰分泌
思春期やホルモンの変化により皮脂腺が活発になり、毛穴が詰まりやすくなります。
2.毛穴の角化異常
毛穴の出口で角質が厚くなると、皮脂が外に出にくくなり「コメド(白ニキビ・黒ニキビ)」ができます。
3.アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖
皮脂を栄養源にして増える細菌で、炎症を引き起こすきっかけとなります。
4.炎症反応
免疫が反応して赤みや腫れを伴う「赤ニキビ」「黄ニキビ」へと進展します。
(参考:日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡治療ガイドライン 2017」)
ニキビの種類
ニキビにはいくつかの段階や種類があります。
・白ニキビ(閉鎖面皰):毛穴の出口がふさがり、皮脂がたまった状態。
・黒ニキビ(開放面皰):皮脂が空気に触れて酸化し、黒く見える状態。
・赤ニキビ(丘疹・膿疱):炎症を伴い、赤く腫れた状態。痛みやかゆみを伴うこともあります。
・黄ニキビ:膿がたまり、強い炎症を起こしている。痛みを伴います。
・ニキビ跡(瘢痕・色素沈着):炎症後に残る凹みや赤み、色素沈着。
それぞれに適したケアや治療が必要です。
赤ニキビ・黄色ニキビ・ニキビ痕はスキンケアだけでは改善が難しいので、クリニックでの治療が基本です。
思春期ニキビと大人ニキビの違い
・思春期ニキビ
ホルモンの影響で皮脂分泌が活発になり、主に皮脂腺の多いTゾーン(おでこ・鼻)に多く出る傾向があります。
・大人ニキビ
20歳以降でもできるニキビで、ホルモンだけでなく乾燥、ストレス、睡眠不足、食生活も関係します。
Uゾーン(口まわり・あご)に出やすい特徴があります。
ニキビに対する正しいスキンケアのポイント
1.洗顔はとにかくやさしく
1日2回まで。
しっかり泡立てて、皮膚に触れないくらいのイメージでこすらず洗います。
こすりすぎはニキビの悪化やニキビ痕につながります。
また洗いすぎは逆に皮脂分泌を増やします。
2.保湿も大切
「ニキビ肌だから保湿はいらない」と思われがちですが、乾燥は角化異常を悪化させむしろ皮脂の分泌が増えてしまうことも。
「ノンコメドジェニック」タイプの保湿剤がおすすめです。
3.紫外線対策
炎症後の色素沈着や赤みを悪化させるため、日焼け止めは必須です。
4. 生活習慣の見直し
睡眠不足、糖質・脂質の多い食事、ストレスはニキビを悪化させます。
規則正しい生活が予防につながります。
美容クリニックでできるニキビ治療
・外用薬(保険適応):アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬など(保険適応)
・内服薬(保険適応):抗菌薬、漢方薬、ビタミン剤、ホルモン治療など
・内服薬(自費診療):イソトレチノイン
・施術:ケミカルピーリング、光治療(IPL、LED)、レーザー、マイクロニードルRFなど
まずは保険診療での治療から開始し、難治症例やニキビの出にくい肌質へと改善したい場合などには自費診療の治療を組み合わせていきます。
まとめ
・ニキビの原因は皮脂・毛穴・菌・炎症が複雑に関わっています。
・白ニキビから赤ニキビ、思春期ニキビと大人ニキビでは原因や対策が異なります。
・正しいスキンケアと生活習慣の見直し、必要に応じてクリニック治療を取り入れることで改善が期待できます。
「繰り返すニキビで悩んでいる…」という方は、自己流で悩み続けるよりも、ぜひ一度皮膚科や美容クリニックにご相談ください。
早めの対処が将来の美肌につながります。